生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
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初めてのくっく-チャーリーと14人のキッズ-

a0032317_8234642.jpg仲良しの友達夫婦と買い物に行った。
友達夫婦には、もうすぐ1歳になる「こうたん」という名の男の子がいる。

そして私は、生まれて初めて、赤ちゃんホンポという場所に足を踏み入れた。
夫婦はそこで歩き始めたばかりの我が子に初めての靴を買うと言う。

こうたん、人生初めての靴。
そんな記念すべき品を買いに行くのに立ち合わせていただけるとは、なんという光栄。



赤い靴、青い靴、黒い靴、黄色い靴・・・、こうたんの足に次々とはめられていく。
彼はちっともじっとしていない。
そればかりか今まで感じたことのない感触が気に入らないと見えて、むずかりだして靴を脱ごうとする。
脱ぎ方は分からないのだが・・・。

こうたんの初めてのくっく選びは、30分近くにも及んだ。
両親と、その友達と、店員さんの大人4人がかりで、彼の人生における大地への第一歩を見届けたというわけだ。
彼はきっとこの日を憶えていないだろうが、私たちはずっと憶えているだろう。

去年の終わり頃だったかな、映画を観に行こうと誘われて、先方は何でもいいよと言うので、あろうことか私は「チャーリーと14人のキッズ」が観たいと言ったことがある。
およそデートとは程遠いムードの映画だ。
失礼ながら、それを承知で私はその映画が観たいと言った。

だって、CMで予告編観たのがほんっとかわいくって。
エディ・マーフィ主演。そして、14人の幼稚園児たち。

映画の内容はどうということはない。
ストーリーもありふれているし、これといって特筆すべきシーンもない。
コメディだけど、ほんとに笑っちゃうのは全編通して5回くらい。

でも、ただただ子供たちがかわいい。
それに尽きる。

私は、子供は結構好き。
信じがたいほどの柔らかい、というより、まるで液体かと思うようなみずみずしい肌。
無邪気な笑顔。くったくのないエゴ。
たいへんかわいい。

でも。

友達夫婦とその子どもと半日外出してみて、私は少し不安になった。
私は、こんなふうに、あらゆる面で子供優先で生きていけるんだろうか?と。

子どもがいるから、と入れないお店がある。
離乳食の後でないと、自分は食事をできない。
テーブルの上に乗ろうとする。
ところかまわず、よだれ爆弾を落とす。

ちょっとしたこと。
ちょっとしたことだけれど、私はそれを受け容れられるだろうか。ほんとうに。

こうたんの親は言う。
「よだれも、我が子だと汚いとか思わないんだよね。不思議なことに」

そういうものだろうか?

その翌日、独身の友達と白金台のJINROKUでお好み焼きを食べながら、そんな話をすると、「優先順位が変わらないことが問題」と言われた。
「自分が一番」で生きてきた人間にとって、子どもができてもその優先順位が変わらないと、きっと子育てはつらい、と。
その通りかもしれない。

つまらないことかもしれないけど、私は好きな服を着て、好きなお店で好きなものをゆっくり食べたい、と思うわがままな人間かも。

今まで幾度となく、出産や育児について想像をめぐらせたけれど、なんだか今回は心底リアリティをもって感じてしまった。

それでも、どうして人は親になるのだろう?
自ら望んだりするのだろう?

こうたんは私が地下鉄の改札でバイバイしようとすると、お母さんの腕から私の腕につかまろうとし、「だっこして!」とすりよってくる。もちろん言葉にはしない。
みんなの愛が欲しいのだ。

「お母さん」と呼ばれる日が来たら、とちょっと想像してみた。
愛が欲しいという子に、「お母さん」と呼ばれたら。
そのときには、私、泣いちゃうかもしれない。
ただただそれを聞きたくて、お母さんになるのかもしれない。
自分の子どもに会いたくて、親になるのかもしれない。

それ以上のことは、もしかしたら、どうでもよくなっちゃうのかもしれない。

私には、まだ分からないけど。


チャーリーと14人のキッズ DADDY DAY CARE(2003年・米)
監督:スティーブ・カー
出演:エディ・マーフィ、ジェフ・ガーリン他
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by yukotto1 | 2004-09-22 02:15 | 笑える映画