生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

ルビー色のチェリー-恋愛適齢期-

「10年後、男性に好かれる自分でいたいですか?女性に好かれる自分でいたいですか?」
およそ7年前、就職活動の面接でこんなことを聞かれた。

そのときは、うーんと考えて、「女性に好かれる自分でいたいです」と答えた。
10年後って32でしょ?
その年で男に好かれることを考えてるっていうのもどうだろう?
なんていうことを、当時は本気で思った。

だけど・・・



嘘!前言撤回!
今は、まったくそんなこと、思ってません!
当時の私はなんと甘チャンだったのだろう・・・。

今日、先週に引き続き、銀座でひとり映画(「コントロール」を観ました。この映画についてはまた別の記事にて)を観て、そのそばのカフェで一休み。
隣のテーブルの若い女性二人が、恋愛談義を交わしていた。

片方の女性はラブラブの彼氏がいて、もう片方の女性は彼氏はいるものの、それは恋じゃないかもしれないと言っている。

「だから、『きみに会う物語』を観て思ったの。
自分の理想どおりの完璧な男性よりも、だめなところもあって喧嘩ばっかりしちゃうんだけど、でもどうしようもなく惹かれてしまう男性を選ぶ・・・それが恋だよなあって」
「そうよ。それでなくちゃ恋じゃないよ」

自分の恋に疑問を持つらしい彼女は、映画に感化されたのか、「条件が理想的」だという彼氏に想いを巡らせてため息をついている。
向かいに座る友達は、「ほんとに好きになれる人なんて、人生で一人いるかいないかだよ」と、いかにも自分はその人生で一人いるかいないかの彼を見つけ当てたとばかりに、満足げな吐息を漏らした。

「恋愛適齢期」のDVDを観たのは、先週のこと。
図らずも最近記事にもした「アニー・ホール」で小気味よいラブストーリーのヒロインを演じたダイアン・キートンが、その約25年後、54歳の恋するヒロインを務めるのが「恋愛適齢期」だ。
その相手役は、若い頃には「郵便配達は二度ベルを鳴らす」などで危険な香りを漂わせたジャック・ニコルソン。
役柄は63歳の実業家。相手にするのは若い女性が専門の、永遠の独身貴族。

ジャックは、ダイアンの娘の恋人として登場する。
ラブ・ストーリーのおきまりとして、初めは反発しあうジャックとダイアン。
けれど、やがて心が通い合っていくのも、ご想像の通り。

50代の女優であれば、映画に出るときにはもっと念入りに化粧して、めいっぱいライトを浴びて登場するだろう。
けれど、物語のテーマ上、あくまで年齢を強調するためか、この作品でのダイアン・キートンの顔には大胆と言えるほどのシワが目立つ。

でも、それを上回る、彼女の魅力。
衰えないスレンダーなスタイルや、洗練されたファッションもそうだし、手際よくテーブルセットをする姿や、伏した瞼をすっと上げる表情や、知的な笑顔、軽やかな言葉遣い・・・確かに、ジャック・ニコルソンのみならず、キアヌ・リーブス扮する青年医師が心を奪われるのもよく分かる。
(キアヌのダイアンへの入れ込み方は多少大げさで、なんだか熟年女性の願望か妄想のような嫌いもあったけど・・・)

そしてまた、彼女が再び恋を知ったとき、こぼれんばかりのハッピーにニヤケが止まらなかったり、こんがらがったように大泣きしたり、その姿がまるきり乙女なのがかわいい。

恋とは、たとえば、ルビー色のチェリーを銀色のザルに入れ、シンクできらめく水にくぐらせるような感じ。
生活の全てが鮮やかに輝くのだ。
彼女が喜ぶのは、「自分が恋をしている」という事実そのもの。

恋が女性をきれいにするなら、恋を呼ぶのもきれいでありたい心と努力に違いない。
齢を重ねても、背筋の伸びた美しい女性には、女として憧れる。
むしろ、「女性らしさ」とか「色っぽさ」といったある種の魅力は、年齢につれて増していくのは間違いないように思う。
おそらく、どんなにセクシーと言われるハタチの女の子より、40代の黒木瞳や桃井かおりや、50代後半の吉永小百合の方がずっと色っぽい、というのは、大方の賛同を得られる意見だと思う。
そして、黒木瞳や桃井かおりや吉永小百合は、女性にとっても十中八九憧れの対象だと言える。

とすれば、「男性に好かれる自分でいたいですか?女性に好かれる自分でいたいですか?」という質問もナンセンスとしか言いようがない。
20そこそこの「男性に好かれる女性」は往々にして「女性には嫌われる女性」であるとしても、ある程度の齢を重ねたときには、「男性に好かれる女性」は往々にして「女性にも好かれる女性」だと思うから。

それは、熟れたルビー色のチェリー。

いつまでも、いくつになっても恋をしたいし、男性にも女性にも好かれる女性を目指していたい。(目指すくらいはタダでしょう?)

きれいになれる恋がしたい。
きれいになって恋がしたい。
そのときの自分を楽しみに思う。

そう思えるようになったのは、私も少し大人になったのかな?

今日も良い天気で、ベージュと薄いグリーンのスカーフ調のスカートをはいた。
きれいな空の色が、春を盛り立てる。



恋愛適齢期 SOMETHING'S GOTTA GIVE(2003年・米)
監督:ナンシー・メイヤーズ
出演:ジャック・ニコルソン、ダイアン・キートン、キアヌ・リーヴス他
[PR]
by yukotto1 | 2005-03-27 11:58 | ハッピーになる映画