生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
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ブログに書けない話-メン・イン・ブラック2-


今日はとにかく暑かった。
そんな暑い日に、なぜかチームメンバーと行くことになった飲茶ランチ。
何が経緯だったかも忘れたけれど、随分前に「休日に飲茶を食べに行く」という謎の約束をした。

本当に、何が理由だったんだろう。今となっては分からない。
「一体いつにするんですか?」と妙なほど執拗に問い詰められていたのだけれど、それがとうとう実現した。



休日は必ず家族と過ごす、良き家庭人のマネージャーを除き、チームメンバーは私を含めて5人。
他の4人は25~27歳の「若者」。

場所は、なんとなく行ってみたいけど行ったことがないお店ということで、ご存知「香港ガーデン」。
西麻布にある、あの豪奢な建物である。

ただっぴろい1階のメインホールにはぎっしりとテーブルが並び、それがまた実に気持ちいいほど満席で、雑然とした雰囲気が確かに中国っぽい。
「日本人観光客がバスで連れてこられる中国の店」というM君の批評は正しい。
外苑西通り沿いに停まった装甲車を、「はとバス」と皮肉るNさんのセンスにニヤリとする。

テーブルの隙間をガラガラと押されて来るセイロや皿がのっかったワゴンには、白いプラスチックのカードがひっかかっていて、そのセイロの中身が「エビ蒸し餃子」なのか「蟹シュウマイ」なのかを分かりやすい字で示している。
天井の高さとか、賑やかな人々の顔つきとか、外は雲一つない青空とか、シチュエーションは「目的のよく分からない会合」には何故だかおあつらえ向きな気がした。

そもそも、メンバーのうちの1人が、二日酔いだとかでドタキャン。
もう1人は20分の遅刻。
それもまた、お構いなしになんとなく3人で始まる、投げやりな会。

いや、案外私はこの「わけわかんなさ」が好き。
よく分からないけど、笑えてくる。

「スター・ウォーズ観たんだけど、よかったよー」と私が言う。
「あ、僕も観ました。なかなか良かったですよね」とM君が言う。
「そうなんですか。私、この後ヒルズで観ようと思ってるんです」とNさんが言う。

「予約した方がいいよ」
「あ、じゃあ、予約しよう」
「六本木ヒルズって当日でも予約できるの?」
「2時間前までできるんですよ」
「へー知らなかったー。品川は当日の朝8時なんだよね」
「それ、ほとんど意味ないですね」
「そう、だから使えないのよ」

Nさんは、先週「宇宙戦争」を観たらしい。

「どうだった?」
「おぞましいです。あれは、スター・ウォーズとは別物ですね」
「そりゃそうだろ」
「久々に席を立ちたくなる映画でした」
「え、そうなの?だめなの?」
「いやぁー、私はちょっと極端に怖がりなんでー」
「えー、怖くて立ちたくなったのぉ?」
「そう・・・、怖かったですね」
「なんで?なにが?」
「もう地球最期の日なわけですよ。終末なんです。恐ろしいじゃないですか」
「・・・でも、ID4みたいな感じじゃないの?」
「ID4ってなんですか?」
「インディペンデンス・デイのこと。あれ観た?」
「ああ、違いますね。インディペンデンス・デイはアメリカ万歳じゃないですか。ああいうんじゃないです。アメリカ万歳でむかつくんだけど、うっかり大統領の演説に涙ぐんじゃう、みたいなやつとは違います」
「涙ぐむよねぇ」
「涙ぐみますよねぇ」
「そういうんじゃなくて、確かにこりゃR指定つくわっていう・・・。血しぶきとか、もう、そんな感じです」
「ホラーっぽいの?」
「ある意味、ホラーですねえ。私、ホラーだめなんですよ。リングとか観るとテレビから出てくる気がしちゃうし」
「リングはみんなそうなるよー。ていうか、日本のやつは怖いよ。ハリウッドのホラーとか全然怖くないよ」

会話は、こんなふうに、ありがちに飛びまくりながら「宇宙戦争」はどうやら怖いらしいという結論に進んでいく。
その頃には、遅れてきたY君も席についている。

「でも私が怖がりなだけですから、皆さんが観たら面白いかもしれませんよ。宇宙戦争」
「いや、むしろ観てみたいよ」
「そうですか?怖いんですよ」
「そんな怖いんだったら観てみたいよねえ?」
「そうですよねえ」
「はぁ、そういうもんですかぁ」

その後、最近は蚊が少なくなったという話、蚊を殺すのは忍びないくせに子どもの頃よく蟻の巣を破壊していていたというY君の話、蟻にしてみたらそりゃ宇宙人の侵略みたいなもんだという話、考えてみたら私らの身に起こる天災も巨大な誰かのいたずらかもしれないという話、西遊記で孫悟空はお釈迦様の手のひらの上で暴れていたという話、昔のナントカ人の思想では世界は巨大な亀の上に存在することになっていたという話、ゾウの時間とネズミの時間の話、もしかしたらこの世界は猿の毛穴ん中かもよという話、いやあ、世の中考えると恐ろしいねえ・・・なんていう感じに展開していった。

そんな数珠つなぎの話をしながら、私の頭の中には「MIB2」のラストシーンのイメージがよぎったりしていた。
駅のコインロッカーを開けると、そこに宇宙がある。
そして自分たちの世界も、より大きな視点から眺めるとコインロッカーの中にあった、という。

イマジネーションを働かせれば、確かにそれを誰も否定できない。
子供の頃はそういうことをみんな考えるものだ。

ランチのしめくくりに、私がとっておきの話をした。
ここまでの話の脈絡とは直接の関係はない。

最後にみんなが神妙な顔で言った。
「その話が一番怖いです」

でしょう?
おねえさん、ダテに年取ってないです。

それは、ブログには書けない話。
書けないほど、怖いお話。


メン・イン・ブラック2 Men In Black2(2002年・米)
監督:バリー・ソネンフェルド
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ウィル・スミス、リップ・トーン他
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by yukotto1 | 2005-07-18 21:42 | 笑える映画