生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
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出逢いまでの距離-私に近い6人の他人-

「6人の知人を介すれば、世界中の人間は全員つながる」

そんな理論を「Six Degrees of Separation」と言う。

大学2年生くらいのときだったか、ゼミの後、映画を観に行こうという話になり、女の子4人で日比谷シャンテで映画を観た。
言いだしっぺはYちゃんだった。

彼女が選んだのが「私に近い6人の他人」という奇妙なタイトルの作品で、その原題が「Six Degrees of Separation」。
面白いコンセプトだと思った。



本当に6人たどったきりで「友達の友達は皆友達」状態になるのかどうかはよく分からないけれど、最近、特にこの手の話をよく耳にする。
SNSの普及なんかもその背景にあるのだろうけれど、リアルな場でも、驚きのつながりが発覚することは多い。

たとえば、会社の同期である親友に最近彼氏ができて、その彼氏の先輩がアメリカに留学中で帰国時にその先輩に会うとかいう話をたまたましていて、「ふうん」くらいに聞いていたのだけれど、その数日後、私のところに一通のメールが・・・。
「お久しぶりです。おぼえてますか?」と始まる文面は、随分昔に私が転職について情報収集をしていた頃、友人の紹介で一度だけお会いしたことのある某商社の方から。
その方のことは確かに憶えていたけれど、その後、私は転職していて、どうしてその人から私の会社のアドレスにメールが届くのか、不思議に思った。
いつ教えたんだっけ?
「実はUCLAにMBAとりに行ってまして、ちょうど今週から御社でインターンを受けることになりました」
差出人のアドレスは、うちの会社のドメインだった・・・。
しかも、彼の文面を追うとそこに書かれた断片的な情報からとたんに結びついたのが「親友の彼氏の留学中の先輩=一度だけお会いした方で現在弊社でインターン中」という図式。

いや、まじで、びっくりした。

あるいは、男友達とランチをしていて「○○って知ってたっけ?」とふと大学の同級生の名前を挙げると、その男友達がものすごく驚いて「なんで先生を知ってるの?!うちの顧問弁護士だよ!」と来る。

チームメンバーの一人が「○○っていう会社があって、そこの社長が僕の同級生なんですけど・・・」と言うと、「あ、それって△△さん?」「え、なんで知ってるんですか?」「私は会ったことないけど、友達がそこで執行役員してるから。よく話きくの」「まじですか?僕、あいつとかなり親しいですよ」となる。

中途採用の面接官を頼まれて応募者の履歴書をもらうと、なんとなく聞き覚えのある経歴だったので誰だろうと考えていると、以前に一度だけ会ったことのある「友達の元カレ」であることが突然判明したり。(知っている人だから、ということで結局面接官をやるのは辞退した)

後輩の旦那さんは男友達の親友で、さらに「私に近い6人の他人」を一緒に観に行ったYちゃんの旦那さんと職場の同期だということが分かったり。

パーティでたまたま知り合った人と「明日同期の結婚式に行く・・・」と話をしていたら、実はその人は新郎側の参列者で、翌日式でばったり会ったり。

果ては、自分自身の「元カレの親友」がうちの会社に入ってくるかも、なんてことになって相談にのったり。

それ以外にも、挙げきることができないほどありふれすぎた話。

世の中が狭いということか、私が狭いコミュニティで生きているということか。
・・・たぶん、両方だと思う。

人の縁とは、驚くべきもの。
偶然の重なりで、一つの線上にあるつながりも、様々な順番で知り合い、絡まっていく。
順番が違えば、また関係性も違ったかもしれない。

逆に、フタを開けてみると複数の線上でつながりがあって、早ければ5年前くらいに会っていてもおかしくないくらいニアミスはたくさんあったのに、どういうわけかずっと出逢うことがなかった人というのがいたりもして、今年になって知り合ったその人とはお互い、「なんで今まで会わなかったんだろうね」と不思議がったりした。
実際に出逢ってからは、驚くほどスムーズに関係性が近くなっているというのも不思議。

中井貴一と小泉今日子主演の「まだ恋は始まらない」というドラマのことを思い出したりする。
結構好きなドラマだったのだけれど、それは主演のふたりがずっとニアミスを続けて、最終回まで実際に会うことがないという異色のラブストーリーだった。

当然のことながら、人が人と会うまでには、そこまで分の人生がある。
そこまでの人生においては、まだ見ぬ人は「存在しないもの」。
ひとたび知り合えば、大昔から決まりきったことのように、自分の思考の一部にその人が組み込まれる。

出逢いの不思議。

紙一枚の場所に、まだ見ぬ何十億の人がいるのだろうか。
すれ違う人も、たった6人分の距離で私とつながっているのだろうか。




私に近い6人の他人 Six Degrees of Separation(1993年・米)
監督:フレッド・スケピシ
出演:ストッカード・チャニング、ドナルド・サザーランド、ウィル・スミス他
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by yukotto1 | 2005-08-07 02:23 | 考えてしまう映画