生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
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これからも、いつまでも-Kissing ジェシカ-

a0032317_12564580.jpg友人の新しい恋人に会うというのは、まるで待ちわびていた懐かしい人に会うような感じだ。
彼女から色んな話を聞かされているから、なんだかよく知る人のような気がする。
向こうにしても同じで、彼女から私の話をよく聞いているようで、会った端から共通の話題があり、びっくりするほど私の近況を知っているから可笑しい。



ふたりが出逢ったのは昨年の終わり。
年明けすぐに彼が長期の海外出張で日本を空けていたこともあり、半年近くはメル友の関係が続き、偶然にもちょうど同じ時期に同じ都市に出張し、同じホテルに滞在したふたりは現地で落ち合う。
それからなんとなく互いを意識して、少しずつ距離を縮めた。

そんないきさつも改めて説明を受ける必要もなく、遡れば出逢った日のことから、ちゃんとリアルタイムで聞いている。
初めて聞いたときには必ずしも、彼が彼女の恋人になるかどうかなんて私はもちろん、彼女だって知るはずもないのだけれど。

でも、潜在意識ってきっと、ちゃんと働いている。
逃してはいけないものは誰に教えられなくても、タイミングや偶然が味方をするし、予感や直感が必然の手綱を引いている。

彼女と知り合って7年になる。
彼女の恋人に会ったのは初めてじゃない。

でも今回は、なんだか今までで一番、彼女が幸せそう。
とても優しくて包容力のある彼で、お話をしていても、その人柄がにじみでてくる。
彼女のことを堂々と自慢できる率直さが、間違いなく彼女を幸せにする人だと思わせてくれる。

第一、彼女から聞く彼の話は、これまでにない「ベタボメ」と「オノロケ」。
こちらが照れてしまうほど。

私も友人からよく言われるけれど、誰かについて話す口ぶりは時として本人が意識する以上に、その人に対する想いを表している。
彼女が彼との関係を始めるべきか否かをまだ迷っている頃、「でも結局、彼のことを受け入れたいって思っているんだね。そういう方向に気持ちが向いてるみたい」と私が言うと、彼女は「ああ、確かにそうだ。私、そう思ってるんだ」と改めて振り返っていた。
彼女は、今は明確に、自分の想いをきちんと理解している。

金曜の夜、六本木。
ふたりが仲良く並ぶ姿を正面にとらえて、私は満足な気持ちになり椅子に深く座りなおした。

「私、絶対、あなたの結婚式は泣くから」
ずっと以前からそう言い続けている。
「今想像しただけでも泣けるから」
それくらい彼女のことは、自分のことみたいに思える。

かつて名古屋に住んでいた頃、私は、月2回は出張などの機会を捻出して足しげく東京に通っていた時期があった。
なぜそうしていたかという事情はまた別の機会にするとして(遠距離恋愛をしていたとかじゃない)、そのときの常宿は彼女の部屋。
とにかく居心地がいいので、しょっちゅうお邪魔してしまう。
彼女が留守のときでさえ、郵便受けに隠された鍵で彼女の部屋に入り、泊めてもらったこともある。

お泊りの夜は尽きない話で更けていく。
そうやって私は彼女のことを知り、彼女も私のことを知ってくれた。
私は彼女が大好きだし、彼女が私の話をあんまりするので、彼女の当時の恋人が「君たち、ホントに何もないの?」と訝しがって問い正したくらい。

ない!ない!
そんな趣味はない!
「バカじゃないの」と彼を一喝する彼女の姿を思うとまた可笑しい。

とはいえ、彼に余計な妄想を抱かせるほど一時の私たちはしょっちゅう会っていた。
実際、私が今住んでいる場所は彼女のうちからほど近く、それも私が東京に移り住むとき、なんとなくなじみのある彼女の部屋の近くを意識したからというのは嘘ではない。

この7年足らずの間に、いっぱい辛いこともあったし、さんざん無謀なこともしたし、決して人に褒められないことや大っぴらには言えないこともあった。
涙の量はたくさんで、それでも傷つくたびに強くなり、ますます魅力的になっていく彼女。
本当に心から思うのだけれど、彼女や、彼女のような素晴らしい女性達に出逢えたことは、私にとって最大の財産であり、自分は人生の選択を決して間違えなかったと信じられる寄るべみたいな存在なのだ。

ほんとに。ほんと。

何をやったって、どう生きたって、あなたが幸せであればそれでいいって思う。
全面的に、私は彼女の味方。

金曜日に会った彼女の彼は、私のブログを読んでくれていて「ヨネスケにうっかり笑った」と言ってくれるいい人。
狙ったところに反応してくれると純粋に嬉しい。
先日の記事を受けて、親切に私の両親のためにウィーン案内のメールまで送ってくれた。

最近、私に好きな人ができたことを知っているふたりは(彼女に話せば必然的に彼らの間で私の近況は共有されてしまう)、どの記事で私がその人のことに触れているかと詮索する。
彼は言う。
「○○(映画名)の人なんじゃないかと思うんだけど・・・」
「ふふふ。はずれ」
彼女は言う。
「××の人でしょ?△△のくだりを読んでそうじゃないかと思った」
「さすが。あたり」

映画「Kissingジェシカ」は、結構美人なのに恋人ができない28歳の独身女性ジェシカが、ちょっとした好奇心がきっかけでレズビアンの恋人を作り、独特の関係性と経験を紡ぐという少々風変わりな作品。
相手が同性とはいえ、好きな人ができて相手を思いやり、自分を変えていく気概をもつことができれば、彼女の生活は輝きを放ち始める。
普通の男女の恋愛と同じように甘えたり嫉妬したりもするけれど、また別の面で、女性同士ならではの物事の捉え方、ちょっとしたバイオリズム、口紅の話題からパーティに着るドレスまで共有できるものは色々とある。
本来は「ストレート」であるジェシカはやがてその恋人との別れを選ぶのだけれど、その経験を経て彼女はすっかりポジティブで活き活きとした女性に生まれ変わり、別れた女性とはその後も深く理解しあう友情を築いていくができる。

この映画に共感はできないのだけれど、女友達と共有できるものはこの映画のように、時として異性の恋人では知り得ない心の隅かもしれず、だから、彼女を見守っていくという使命においては、彼と私は同志のようなようなもの。
いつもは彼が大きく彼女を包むだろうけど、時には私が彼女を拾い上げる。

これからも、いつまでも彼とチームであれますように、こっそり私はお祈りする。


Kissing ジェシカ Kissing Jessica Stein(2001年・米)
監督:チャールズ・ハーマン・ワームフェルド
出演:ジェニファー・ウェストフェルト、ヘザー・ジャーゲンセン、スコット・コーエン他
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by yukotto1 | 2005-08-22 13:22 | 考えてしまう映画