生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
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私の通販生活-オーシャンズ11-

新しい仕事について、具体的なことをまだ書いていなかったので、とりあえずその話をすることにする。

私が転職したのは、テレビ通販の会社だ。

テレビ通販と言って、何をイメージするだろう。

独特のなまりのじゃぱねっとの社長?
腹筋の割れた外人が吹き替えで薦める「アブトラニック」?
収納ケースを「さらにもうひとつ!」という強引なセット販売?

いずれにしても胡散臭い。
私にとっても当初のイメージはそうだった。



ところが近頃では、テレビ通販というのもどんどん様変わりしてきたようだ。
セットの安っぽさや画質の低さというのは確かに否めないものの、扱う商品の多様性や品質、番組そのものの面白さというのは意外にも高水準にある。

今、テレビ通販を牽引するのは「24時間365日生放送」という形態で、いわば、日本テレビやフジテレビが1年に一度の大仕事としてやる24時間生放送番組(実際にはドラマなど録画放送の部分もあるが)なんて比較にならないほど、ひたすら走り続けるフル稼動スタイルなのだ。
ビジネス的にこの形態の利点、欠点といった話は、そういう趣旨のブログでもないので特に書かないことにするが、通販のみならず、これまでの小売やテレビ放送の常識を少々超えたレベルで「なんかすごい」ことをやっているのだなあというのはなんとなく分かる。

私が働き始めたのも、日本で今2社しかない24時間365日生放送スタイルの会社の一つで、スタジオやコールセンターなどの体制は24時間稼動でいつ何時でも煌々と明かりがつく環境にある。
弊社は番組制作も商品調達も、コールセンター、物流いずれも自前でやっている。

働く人は様々で、300人ほどの全社員が中途入社の転職組だが、その出自はテレビ局であったり、デパートであったり、物流会社や広告代理店や私のようなコンサルティング会社や、あるいは専属の出演者などは元アナウンサーや俳優の卵だったりもして、多種多様だがそれぞれに何らかの道のスペシャリストが多い。
私の感覚では、能力もプライドも高い、職人の集まりだと思う。

そういうのは、ひとつの理想でもある。
様々な才能や技術が集まって、一つのものを作り上げていく、整然と機動的に、個性が輝ける環境というのは素晴らしい。

かつて、ゲームを作る現場にいたときには、デザイナー、プログラマー、コンポーザーといった個性が一作品の中に表現されて仮想現実の世界をつくりあげていくことに感動をおぼえた。
自動車会社にいたときには、自動車を形作る部品全て、ネジ一本にいたるまで、それを設計して鋳型を起こし製造してボディに組み付けた、幾千、幾万の人の手を思い描いた。

「ライン」というのは、美しいものだ。

個性がチームワークを成して、鮮やかに一つの何かを生み出していくといえば「オーシャンズ11」。
11人の犯罪のプロが、巨大なカジノで華麗に大金を盗み出す。
豪華なキャスティングでも話題をさらったこの作品では、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモン、アンディ・ガルシアと、主役級のスターが各自の個性を魅せつける。

面白いのは、一級のスター以外も含め各々のキャラクターたちに、きちんと別々の才能と役割が与えられていることだ。
爆破の達人が一瞬にして街を停電させたり、雑技団の曲芸師が小さな箱に身を折りたたんで潜入を図ったり、一流のスリが敵の内ポケットからキーを盗み出したり、それらが流れるように動いて観客に小気味よいリズムを与えてくれる。
超人の主人公と平凡なその他という、一般的な図式をきれいに打ち破るところが、私の好きなところだ。

もちろん、強すぎる個性や才能はそれと表裏一体のプライドによって互いにぶつかる。
映画でもそんなシーンが描かれているが、私が勤め始めた会社でも、そういった問題が起きやすいことは想像に難くない。

職人というのは頑固なものだ。
頑固だからよいものが作れるのだし、ぶつかるのは歓迎すべきことだが、こと企業の中においては、部分最適が障害になることも多々ある。
私がこれから出会う課題もおそらくそんなところにあると、周囲の人々も言うし、私もそう思う。

並べれば、おもしろそうなことばかりだ。
きっともっと、わくわくする。

このたび、テレビ通販デビューをしてみた。
買ったのは「パイレックスの保存容器9点セット」。
冷凍もレンジもオーブンも対応の優れモノだが、社員価格で割安に買える。

保存容器を買ったのは、自炊を始めたはいいけれど、作ったら作った分だけ「もったいない」と言って、その日のうちに全部食べきろうとしてしまう自分を抑えるため。
一人分だけ作るのはあまり効率がよくなく、結局使い切れなかった野菜なんかの材料が余ってしまうだけなので、そんなことなら調理して保存というのがよさそうに思ったから。

自炊も、転職してできるようになった素晴らしいことの一つだが、考えてみると、前職ではほとんどの夕食をチームメンバーたちと食べていたので、一人きりになることが少なかったのだ。
今は夕飯時に一人になることが多いので、それで外食は寂しすぎる。
冷蔵庫の中身を思い描きながら毎日献立を考え、毎晩のようにキッチンで料理をする、少なくとも今のところはそれが楽しい。

せっかく作っても自分だけで食べるなんて寂しいという意見もあるだろうが、まあそれは仕方ない。
毎晩ひとりきりで外食するよりずっとマシだし、作った料理を保存さえしておけば、時には、お腹をすかせた彼に、待たせることなく食べてもらうことだってできるのだから。

目下、冷凍しても味が落ちないものというのを模索中。
大きめに切って煮た根菜は、解凍すると、なんともいえない奇妙な食感がするのだと知った。

そんな点においても、おもしろそうなことばかりだ。
これもまた、きっともっとわくわくする。

そんなわけで、広い意味での私の「通販生活」は、上々。


オーシャンズ11 Ocean's Eleven(2001年・米)
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー、バーニー・マック、ブラッド・ピット
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by yukotto1 | 2006-02-19 02:23 | ノリノリの映画