生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
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眠くならない映画-ジュラシック・パーク-

私は「探偵!ナイトスクープ」が好きだし、「トリビアの泉」の中の「トリビアの種」というコーナーがすごく好きだ。
この二つのTVショウに共通するのは、「どうでもいいような日常の疑問を大真面目に検証して、(時には強引に)答えを導く」というテーマを持つことだ。

そもそも私はくだらないことに思考を巡らすのが大好きで、仮に神妙な顔で深刻なことを考えているように見えても、いざ種明かしをすれば、人には呆れられるか失笑を買うということが往々にしてある。
そんな私に、ある友人が新しい「お題」を与えてくれた。

彼は昨年末ホームシアターセットを買い、最近は55インチのプラズマテレビを手に入れた。
55インチって一体、あんたの家はヨドバシカメラかと思うようなサイズだが、ともかくものすごいAV設備が彼のうちには整っている。
しかし、この友人、映画には全く詳しくない。
詳しくないどころか決定的な問題として、彼は「映画を観るとほとんどの場合、寝る」らしい。



「一緒に映画館に行くと嫌われちゃうんだよね。絶対寝るから」

そんな彼がホームシアターセットや巨大なテレビを備えたこと自体に頭を捻るが、ひとまずそれはおいといて、そのゴージャスなお宝を活用すべく、彼は私にこう訊いた。

「眠くならない映画を教えて」

私の見解からすると、世の中の8割方の映画は、それがたとえかなりツマラナイ内容だとしても、眠くなるほどではない。
たまたま寝不足だったとか、大量にお酒を飲んだ後だっとか、あるいはヘブライ語の映画を字幕なしで観るとか、そういう条件さえなければ、なんとか起きているくらいはできるもんである。
ところが、彼が過去に眠らなかった映画として思いつくのは「レオン」と「私の頭の中の消しゴム」くらいだと言うのだから、これは相当に手ごわい。

それで私は、「眠くならない映画」について考えてみることにした。
私のおよそ800本の映画データリストから、何らかのロジックで最もふさわしい一本を見つけ出すのだ。
なかなかわくわくする試みではないか。

もちろん「面白くて眠くならない」という視点では山ほど候補があるのだが、「面白い」の基準は人それぞれなので難しい。
「私の頭の中の消しゴム」では眠くならなかったという友人に、号泣できるラブストーリーとして傾向の近い「いま、会いにゆきます」を薦めるとしても、実は「いま、会いにゆきます」は最初の2/3くらいはやや退屈なのだ。

だから、今回は「面白い」以外の客観的な基準で選んでみる。

問い:
もっとも眠くならない映画は?

検証の前提:
もっとも眠くならない映画は人が眠くなりにくい条件を最も多く備えている映画である

検証方法:
① 一般に人が眠くなりやすい条件を挙げる
② ①の条件の真逆を挙げる
③ ②の条件を満たす映画の特性を挙げる
④ ③の特性を最も多く備えている映画作品を選ぶ

検証:

① 一般に人が眠くなりやすい条件を挙げる

人がよく寝てしまいそうなシチュエーションを考える。

それは、たとえばこうだ。
「暗い静かな部屋で、落ち着ける姿勢で、難しくて退屈な本を読む」

なるほど、間違いなく5分後には夢の中にいそうなシチュエーション。
これを分解した上で、それを促しそうな要素を挙げてみる。

 暗い=閉塞的、屋内、夜、雨天
 静か=音量が小さい、音域が小さい、音楽がない
 落ち着ける=安心できる、気持ちがいい
 難しい=複雑、身近でない
 退屈=スピードが遅い、単調

② ①の条件の真逆を挙げる

人が眠くなりやすい条件のまったく逆をいけば、人は眠くなりにくいはずである。
というわけで、①の条件の真逆をあげて、人が眠くなりにくい条件を明らかにする。

 暗い⇔明るい=開放的、屋外、昼間、晴れ
 静か⇔賑やか=音量が大きい、音域が大きい、音楽がある
 落ち着ける⇔落ち着かない=不安がある、気持ちが悪い
 難しい⇔分かりやすい=単純、身近
 退屈⇔飽きない=スピードが速い、変化に富む

③ ②の条件を満たす映画の特性を挙げる

②の条件を満たす映画というのは、このような感じ。

 舞台:太陽の光が多く、開放感がある空や海、広い大地など自然の中
 音響効果:爆音、絶叫、笑い声など大きな音が随所に使われている
 テーマ音楽:耳に残りやすく迫力がある
 カテゴリー:恐怖や不安、不快感を与えるホラー、パニック、バイオレンス、サスペンス等
 登場人物:数が少なく、分かりやすい性格
 ストーリー:伏線や隠喩、謎がほとんどない
 世界観:文化・思想・慣習・年代などが違っても予備知識なしで誰にでも理解できる世界観
 展開:テンポがよくどんどん話が進む、次々と新しい事件が起こる
 映像:同じ映像が続かない、適度な舞台転換がある

④ ③の特性を最も多く備えている映画作品を選ぶ

ここからは、私の個人的データベースとの適合作業なのだが、注意しなければいけないのは、③の特性は互いに関連が強いこともあれば、逆に矛盾する場合もあることだ。
たとえば、ホラー映画は多くの場合、絶叫はあるが、暗い夜が舞台である。
また、謎のないサスペンス映画は少ないし、たいていストーリーは複雑で登場人物は多いと決まっている。
こういったことに気をつけながら、いくつか候補を挙げてみよう。

50回目のファースト・キス
カテゴリーはラブコメディだが、かなりおすすめの映画だ。
何より舞台がハワイなので、開放感があって明るい雰囲気。
登場人物は限られていて、テンポもいいし、美しい映像が次々と映される。
記憶喪失モノにはつきものの伏線とひねりが少しあるが、それはそれで楽しめる範囲。

フライト・オブ・フェニックス:
砂漠に墜落した飛行機の乗客たちが、そこをいかにして脱出するかと奮闘する物語。
脚本はなかなか面白いし、砂漠が舞台だけに太陽がまぶしい。
登場人物は10人くらいで、最初は誰が誰か分かりにくいこともあるが、各々に個性的なので話が進めば区別がつくようになる。
問題は墜落した飛行機の周りからステージがほとんど動かないこと。
それだけにラストの開放感が気持ちいいのだが・・・。

デイ・アフター・トゥモロー
地球を異常気象が襲うパニックムービーだが、とにかくスケールが大きく迫力満点。
ストーリーは少し物足りないが、それは映画が終わったときに感じることなので、「眠くならない」ということの障害にはならない。
大きなスクリーンで見るにはうってつけの作品。
この作品で眠る人はやばい。
同監督の迫力系映画「インデペンデンス・デイ」も同様におすすめだが、こちらは少し登場人物が多いので場合によっては混乱するかも。

そして、一本だけ選ぶなら、これ。

解:
もっとも眠くならない映画は・・・

ジュラシック・パーク:
上記の特性をほぼ全て兼ね備えた映画。
シンプルに、面白い。
メジャーすぎるから、さすがに彼も観たかなあ?

 舞台:自然あふれる南の島
 音響効果:出演者のオーディションで「悲鳴」がお題になったほどの、ハンパでない絶叫
 テーマ音楽:超有名なテーマ曲
 カテゴリー:恐怖と緊張で息もつけないパニック映画
 登場人物:パークで遭難したほんの数人
 ストーリー:謎はほとんどなし、とにかくひたすら恐竜から逃げる!
 世界観:予備知識は一切不要
 展開:次から次へと恐竜は襲いかかる
 映像:パーク中を常に移動するので同じステージはほとんどなし


くだらないことをまた考えて夜が更けた。


ジュラシック・パーク Jurrasic Park(1993年・米)
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム他
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by yukotto1 | 2006-06-16 00:50 | 迫力系映画