生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリ:ハッピーになる映画( 52 )

a0032317_0505935.jpg

photo by hikaru

ある友人は、花の名前をよく知っている。
駅から自宅へ歩く間に見かけた花の名前を、10種類ほど言い当てられる。

犬の種類もよく知っている。
その血統や気性なんかも知っている。

当たり前みたいに「イングリッシュスパニエル」と言われても、私は「イングリッシュ」なのか「スパニッシュ」なのか混同してしまう始末だ。
それがどんな姿かたちの犬なのか、名前だけ聞いても分からない。

一方、その友人はビジネス用語なんて知らない。

漫画には詳しいのに、映画には詳しくない。
神話には詳しいのに、落語には詳しくない。

私たちは同い年だし、同じ街の出身だし、同じ中学で学んだし、同じような方言で話すのに。
けれども、私たちの興味関心はまったく違うところにあって、そのせいで持っている知識はあまりに違っている。

More
[PR]
by yukotto1 | 2010-04-20 00:54 | ハッピーになる映画
a0032317_22214697.jpg
photo by hikaru

ファッション業界に半ば足をつっこんでから、半年以上経つ。
それは、上司の突然の異動に伴って、私のメインの仕事になった。

もともと温め続けた企画が実行フェーズを迎えたという感じなので、やるべきことに迷いはないが、とはいえ、まったく不慣れな世界である。
ロジックを組み立てて仕事するのを主としてきた私にとって、「ファッション」なんていう、感覚的世界で自分が仕事をするなんていうことは、思いもよらなかった。

さながら、「プラダを着た悪魔」の主人公アンディのようだが、以前にその映画についての記事で書いたように、未経験の世界でまず必要なのは、その世界のルールを知ること。

私は、決してファッションに詳しくない。
常識的な、ごくごく普通レベルのセンスしかない。

私が仕事で相手にするのは、バイヤーやスタイリスト、モデル、ジャーナリストといった感性で勝負する人たちであって、彼らとのコミュニケーションを成功させるためには、彼らを理解し、同じ言葉でしゃべる必要がある。

More
[PR]
by yukotto1 | 2010-02-18 00:44 | ハッピーになる映画
中学3年生のとき、私には好きな男の子がいた。
今考えても、ドキドキするほど、すごくすごく素敵な男の子だった。

彼が地元の公立高校を志望していると聞いて、私もそこに行きたいと思った。
だから私の志望校は、誰に何と言われても、その公立高校だった。

学校や塾での成績がよかったので、周囲の大人は残念がった。
もっと上を狙えるのに。

親や先生に理由を尋ねられても、私は絶対に本当のことを言わなかった。
「私立に行く意味が分からないから」と言って、断固として、公立志望を曲げなかった。

12月くらいまでその調子だった。

ところが、年末の三者面談ぎりぎりで、私は好きな男の子が明石にある高等専門学校を志望しているという話を耳にした。
それは理系の学校で、どう考えても文系の私が進学することはできない。
けれど、例の私立高校なら明石方面へ同じ電車で通うことができる。

私は、すかさず志望を変えた。

More
[PR]
by yukotto1 | 2008-07-10 20:44 | ハッピーになる映画
クリスピークリームドーナツの行列に並ぶなんて、自分ひとりでだったら、絶対にありえない。
ドーナツが嫌いなわけでもないが、特別好きなわけでもないし、それを買うために長蛇の列だなんて。

だけど、大好きな友人と2年ぶりに会えることになり、彼女がクリスピークリームドーナツを食べたいと言ったら、私は喜んでそれに並ぶ。
混雑を避けるため、雨が降る日曜の朝9時に有楽町というスケジュールもへっちゃら。
(もともと休みの日の早起きは好きなんだけど)

2年前、彼女は、電撃的に結婚して、電撃的に会社を辞めて、電撃的にベルギーへ引っ越した。
すべてが電撃的で、驚いている暇もなかった。
なにもかもすべてを変えてしまう決断を鮮やかにやってのけ、どんなときも変わることのない阿弥陀様のような笑顔で手を振り、そして旅立った。

More
[PR]
by yukotto1 | 2008-07-01 23:27 | ハッピーになる映画
3月の赤城亭以来、3ヶ月ぶりに落語に行った。
関西ではテレビ出演も多い桂雀々と、「笑点」や「タイガー&ドラゴン」でもおなじみの春風亭昇太の二人会ということで、今まで聴いた中では、もっともメジャーな噺家の高座と言える。

落語を趣味に持ち始めたのは、つい去年のことなので、東京に暮らす都合から、普段耳にするのは江戸落語が中心。
もともと出身が関西なので、聴きなれているのは上方落語のはずなのに、近頃はすっかり江戸前に馴染んで、上方を聴くのは随分久しぶりの気がした。

しかも、今回は桂雀々だ。
故桂枝雀の弟子である。

More
[PR]
by yukotto1 | 2008-06-19 00:57 | ハッピーになる映画
もう半年も前のことになってしまうのだが、6月吉日、上の弟が結婚をした。
付き合い始めて1周年が結婚式という、なかなかのスピード婚だ。
弟は、ほんのちょっと前までは、20代のうちには結婚しないと言い切っていたのに、実際には、30歳の誕生日に2ヶ月ばかり早かった。
順序における姉への遠慮は一切なかったが、それはむしろありがたいことで、「弟よ、おめでとう」と素直に思う。

式の前日に実家に帰り、当日、美容院の予約の都合で両親たちよりも早い時刻に、同じく支度のある弟が車でホテルまで乗せていってくれた。
弟とゆっくり話すなんていうことは、近年ほとんどないので、それは不思議なシチュエーションに思えた。
幼かった彼を知るだけに、こいつが結婚するのかと思うと、まったく想像を超えている。

車中、意外と、結婚や結婚式の話は出なかった。
なぜまた彼がこの度結婚を決心したのだとか、今何を感じていてこれからどうしたいと思っているのかとか、そのへんのことはよく分からない。
そしてまた、特にそれを尋ねない。
まあ、決めたんだから何かしら考えたんだろうし、これまでとは違う何かもあったんだろう。
いい大人なんだから、それなりになんとかやるんだろう。

More
[PR]
by yukotto1 | 2007-12-12 16:40 | ハッピーになる映画
「美容院で髪を切るとき、いつもなんて言ってる?」
という友人の質問があまりに的を射ていると思ったのは、1年と少し前のことだ。
思わず、その場にいた何人かが「そう!それ!」と声を合わせた。

雑誌の切抜きを持っていくとか、芸能人の名前を挙げて「○○みたいにしてください」と言うとか、そういう人もいるのだろうが、なんだかそういうのは気恥ずかしい。
だから、「このくらいの長さで~、ちょっとレイヤーいれて~」というふうに部分的なリクエストをするのだが、正直、本人のイメージとできあがりの間に少なからずの乖離があることはあまりにありふれたことなんじゃないかと思う。

でも、うまく伝えられないこっちが悪いとも思うので、仕上がりにどこか納得できなかったとしても、折りたたみの三面鏡に後頭部を映されながら「いかがですか?」と問われれば、精一杯の笑顔で「はい。ありがとうございます」と答える不甲斐ない結末。
いずれにしてもそうなんだとしたら、どんな髪型にしますかなんて、どうか訊かないで欲しいという本音は、常日頃から持っていた。

More
[PR]
by yukotto1 | 2007-12-10 01:51 | ハッピーになる映画
床暖房に寝そべってレシピ本などめくっていたら、うとうとと夢の世界に迷い込んだ。
ふと気づくと、約束の15時までほんの10分前。
あわてて起きて支度して、15時ちょうどに家を出た。

神楽坂上の交差点。
道路をはさんだ場所から相手を見つけたのは、私の方が先だった。
友だちは、何か音楽を聴きながら待っていた。

彼に会うのはいつもちょっと照れる。
私にとって男性は、異性を感じる人か感じない人かで大きく二分され、その違いはあまりに歴然としている。
だから、いつでも自分の態度に迷うことなどないのに、彼だけはそういう分類軸の外側にあるようで、私の中で独特のポジションを占めている。
異性と接する感覚とそれを超えた感覚の狭間で、私は彼に対して、回路の分からない照れを感じる。

何かを理性で抑止するような、頭の後ろがちょっとしびれる緊張感は、むしろ心地いい。

More
[PR]
by yukotto1 | 2007-11-21 11:18 | ハッピーになる映画
習慣というものをあまり持たない私が、近頃、日曜の午後に自宅の近くのカフェに行き、そこで読み物をしたり書き物をするというペースを築きつつある。
午前中に掃除をして、ゆっくりとお風呂に入り、昼食を食べてから家を出て、気分の向くまま幾つか候補のあるカフェのいずれかに行く。
そこで、たいてい2時間あまり、ひとりの世界に没頭するのだ。

気がつけば夕方が近づく時刻、カフェの席を立ち、まだ歩いたことのない路地を探して街を歩き始める。
私は、まだこの街の初心者だ。

雑誌やインターネットから仕入れた情報で、行ってみたい店、興味のある場所は幾つもある。
迷路みたく入り組んだ小路を、「こっちかな、あっちかな」とうろつくのは、この界隈で週末に目にする観光客と大差ない。

More
[PR]
by yukotto1 | 2007-11-03 23:42 | ハッピーになる映画

Restart-拝啓、父上様-

先月、引越しをした。
居を移すのは4年半ぶりだ。

帰る道がいつもと違う。
開けるドアがいつもと違う。
まあたらしい毎日。

もしかしたら、転職以上に、心の切り替えになっているかもしれない。

引越しには、行動力と決断力がいる。
計画を立てて自律的に実行するパワーがいる。
それから、多少の蓄えがいる。

必然的な事情があるわけでもないのに引越しをしようと思い立ち、実際にやり遂げるまでには、幾度もの横槍、荒波、群雲を越えていかなければならない。
別にいいかと思えばそれで終わりだし、延ばし延ばしにすればキリがなく、適当にこなすにはやるべきことが多すぎる。

それをやり遂げた私は偉い。

と、自分を褒めてやる。

More
[PR]
by yukotto1 | 2007-10-08 22:55 | ハッピーになる映画