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生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
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カテゴリ:切ない映画( 22 )

強く冷たい風が水分の多い雪をつれてきた。
アスファルトに薄く積もってぬかるんで、とてもきれいとは言えない。
ブーツの踵に、細心の注意を払いながら歩く。

東京のなごり雪。
3月9日に降った雪。

先週は、日中、コートがいらないくらいの陽気だったのに、この時期の手のひら返しはまったく手厳しい。
思わせぶりもいいところ、そうするほどに恋しくなる春の策略に、毎年まんまと嵌められる。

季節は輪廻の如く。
輪廻は季節の如く。

「瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の われても末に あはむとぞ思ふ」

百人一首で私が一番最初に憶えた句で、そして、私が一番好きな句だ。
そして、三島由紀夫晩年の小説を映画化した「春の雪」においても、意味の深い句となっている。

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by yukotto1 | 2010-03-10 01:33 | 切ない映画
原作「サヨナライツカ」の大ファンとしては、その映画化作品を観ないですむわけがない。
これを見るのは、制作発表の日から決めていたことだけれど、いざとなると、期待より不安の方が大きかった。

だいたい、「大好きな原作」が映画化されて「大好きな映画」になった試しなんてあっただろうか。
スクリーンの映像と頭の中で出来上がった勝手なイメージを照らし合わせたときに、あれが違う、これが違うと、比較にばかり目がゆくのは避けられない。

他人が作った映像が自分の作ったイメージを超えるなんてことは、まずないのだから。

昨年の終わりごろ、「見たい映画は?」と尋ねられて、何の思惑もなく「サヨナライツカ」と答えたら、「それを一緒に見に行こうよ」と言われた。

そうだねと約束したのだけれど、内心、少しためらいがあった。
もっと、どうでもいいタイトルを挙げればよかったと後悔した。

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by yukotto1 | 2010-01-25 22:25 | 切ない映画

確信-まぼろし-

混沌を漂う会話の合間、ふいに、同じ故郷をもつその友人が、地元に帰ろうと思うことはないかと私に尋ねた。

私は、ちょっと椅子にかけなおす。

ほとんど疑問なく生活してきたけれど、最近になって、家族と離れて暮らしている現状について考えることが増えたのは事実だ。

私の生きる場所は、もう東京にしかない、そう思う。
だけど、理由を振り返ってみると、その基盤は少し曖昧だったりする。

親のことは、いつも心配している。
こんなに大好きで、こんなに大切なのに、離れて暮らすことを選び、そのせいで、おそらくこの先、親や祖母と過ごす時間が全部集めたって僅かに過ぎないことを思うと、どうしようもなく切ない。

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by yukotto1 | 2009-02-03 00:41 | 切ない映画
最近、年下の女友だちが増えた、と感じる。
自分が年をとったからでもあるだろうし、同年代の友人の多くが家事や育児に忙しい時期で、なかなか一緒に遊べないというのもあるだろう。

自然な流れなのだろうけれど、それも悪くない。
年下の女性と話をすると、お年頃的諸問題から解放された気楽な楽しさがあるばかりでなく、自分の歩んできた道を振り返って初心を思い出すような、心地よい刺激がある。

目下、私の最年少の女友だちは、若干3歳。

中学以来の友人と私は、週に1回以上電話で話すけれど、その横で「お話しするの。お話しするの」と、一生懸命に主張する幼い声がする。
声の主は友人の娘だが、このところ、びっくりするほど言葉を覚えた。
この春には保育園に通い始める。

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by yukotto1 | 2008-04-02 19:16 | 切ない映画
友人が新居に越したお祝いにと、三連休の中日に八丁堀まで出かけた。
「地図が読めない」私には、位置関係が定かでないけれど、たぶん私の会社からも近い。

新宿で買物があったついでにデパ地下でおもたせを買い、地下鉄に乗ろうとしたとき着信があった。
おとといの晩は他の用があるから行かないって言っていたのに、どうやら彼も行くことにしたらしい。
「ちょっとだけ顔を出すことにした」

あら、そう。だったら早くそう言ってくれればいいのに。
地図が読めない上に地図を忘れてきてしまった、救いようがない私は、ちょうど困り果てていた。
とりあえず一緒に行こうよ、ていうか目的地まで連れてって、というわけで、銀座で落ち合いワインを買ってからタクシーをつかまえた。
彼は先月、その友人宅にいち早くお邪魔していたのだ。

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by yukotto1 | 2006-07-18 20:45 | 切ない映画
私が勤めるオフィスは茅場町にある。
証券会社が立ち並ぶ、株式の街。
といっても、最近流行の外資系金融のオフィスがあるのは港区方面で、茅場町にある会社のほとんどは一昔前に最盛期を迎えた日系の中小証券だ。

このギャンブルくさい歴史のある街は、同時にやたらオヤジくさい。
他のオフィス街で見かけるような若いOL達の姿は圧倒的に少なく、それがゆえ、この街の飲食店には偏った傾向がある。

イタリアンだとかフレンチだとか、あるいはコジャレた創作和食だとか、そういった類のいわゆるギャル向けの店はほとんどなく、その代わりにあるのは、すえた居酒屋、食券式の定食屋がほとんど。
オヤジが好むオヤジ向けの店。
内装なんかも洗練などという言葉とは程遠くって、最低限の清潔さをキープしただけの素朴というより簡素な風情ばかりだ。
場合によって、それはアジア的な混沌とも呼べる。

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by yukotto1 | 2006-07-02 18:05 | 切ない映画
毎朝、銀座駅で地下鉄を乗り換える。
銀座線から日比谷線まで階段を上って階段を下りるのだが、そのちょっとした移動距
離の間に大きなポスターが連なっている。

今はちょうどニュージーランド航空の広告で、雄大さをこれでもかと見せつけ
る、南半球の大自然の写真。
そこは空気がこの街の30倍は澄んでいそうだ。

駅のポスター群は2週間で入れ替わる。
ニュージーランドの前は新しく創刊したらしい雑誌の広告だった。

その名は「OCEANS(オーシャンズ)」、テーマは「Love is Luxury」なのだそうだ。

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by yukotto1 | 2006-03-21 15:48 | 切ない映画
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先月のことになるけれど、今年も祖母に敬老の日の贈り物をした。
銀座へ出かけ、目抜き通りのデパートを端から端まで歩き回る。

いかにも老人ぽいものをあげるのは嫌だし、月並みなものもつまらない。
そう思っていつもいつも悩むのだけれど、それでも結局無難なものに落ち着くことが多い。

今年も考えあぐねて、財布に落ち着き、自分の「とんち」のなさにややがっかりする。
一休さんになりたい。

ふと気づくと、財布が並んだガラスケースの上に、小さなキーホルダーが鈴なりになっていた。
手作りらしい革製のそれは、かわいらしくデフォルメされた様々な犬の色とかたちをしている。
ふと思い立って一つ一つ指でより分けていくと、遂にお目当てを見つけ出した。

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by yukotto1 | 2005-10-10 02:06 | 切ない映画

緊張-わすれな草-

私はたいていのことには動じないように見えるらしい。
緊張とかいう自然現象とは無縁の人に思われていることも多い。

でも、私も緊張する。
ささやかながら、こっそりと、緊張する。

それでも、人に会うというだけでドキドキしてしまうのは、そんなに多くない。
先週の金曜日は、会うだけでドキドキしてしまう女性とのお食事。

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by yukotto1 | 2005-10-04 23:24 | 切ない映画
穏やかで柔らかな風は、春のしるし。
なぜこうもこの季節には、心が軽くなるのだろう。
(幸い、私は花粉症でもないし)

自然の営みの一部として人間は、春の訪れを全身で感受し、他の生命たちと同じように歓喜する。
そういうふうにできているらしい。
私はとかく忠実なバイオリズムを持っているらしく、春には春の、夏には夏の気分になる。
体の調子も、心の調子も、性格さえ変わる気がする。

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by yukotto1 | 2005-03-22 02:58 | 切ない映画