生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
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「全部ぜんぶ捨てて、旦那も子どもも全てを捨てて、それでインドに行っちゃうわけよ。
ずっと、モヤモヤを抱え続けてきた主婦が」

漫画のシナリオを練りたいという友人と、例えばどんな物語を作ろうかという話をしていたとき、私がそんなふうな提案をしたら、友人は「そんなのダメダメ」と否定した。

なんで?面白くない?
インドに行って、それから何をするというのは決めてないけど、そこから物語がいくらでも広がっていく気がするんだけど。

「そんなのは受けいれられない」
と、自身、主婦であって母である友人は言う。

あなたにそうしろと言うつもりもないし、むしろ、そんなことできないからこそ物語が面白くなるんじゃないの。
受け容れられるか、られないかなんて、全然関係ないよ。

「でも、そんなの、する人の気がしれない。無理」

だから、フィクションなんだってば。
あなたのことでも、あなたの妹のことでもない。

感情移入型の人と話すとき、こういうやりとりは時々起きる。
作り物の世界でさえ、自分とは無関係と整理することができなくて、過剰に反応してしまうわけだ。

この友人は、「映画は感情が揺さぶられるから苦手」と言うくらいだから、なかなかナイーブな人だ。
私なんかは、「感情が揺さぶられるから」映画が好きなんだけど。

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# by yukotto1 | 2010-01-20 00:34 | ぐっとくる映画

「今年は、いろいろあったけど、来年は、いいことあるよ」

なんて、都合のいい言葉だろう。

今年と来年のあいだには、どんな現実の分線もなくて、年が明けたからといって、万事リセットされるわけじゃない。
きのうの翌朝に今日が来たように、今日の翌朝に明日が来るだけなのに。

だけど、そうやって。

そうやって、つらいことも、くるしいことも、どんなことも、新しい年を迎えるたびに、ひとくぎりつけてしまう、そんな暦の都合のよさに救われる。

だから、来年は、いいことあるよ。
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# by yukotto1 | 2009-12-31 23:21 | その他
11月のこと。
六本木ヒルズで00時35分開演の「THIS IS IT」を鑑賞した。

この映画のことは、きっと誰もが知っている。
今年6月に他界したマイケル・ジャクソンが、死の直前、もうまもなく初日というところまで準備を進めていたコンサート「THIS IS IT」のメイキングムービーだ。

別の二人の友人から、ほとんど同時に誘いを受けた。
「THIS IS IT」を観たいよね、と。

幸いその二人には面識もあるので、だったらいっそ三人で行こう。
忙しい私たちが揃うのは、金曜の深夜、仕事もデートも接待も終わった時間だねと、TOHOシネマのロビーで待ち合わせた。
チケットは、私が手配する。

眠らない街、東京は六本木。
金曜真夜中の映画館は、ものすごく賑わっていた。

この映画館の一番大きなスクリーンで、全ての席が観客で埋まって、時間の感覚を忘れそうな熱気が溢れている。
みんなでマイケル・ジャクソンの映画を観るというより、みんなでコンサートに行くような、そういう興奮が満ちていた。

シチュエーションが既に、ちょっと特別な感じがした。

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# by yukotto1 | 2009-12-17 00:38 | ぐっとくる映画
ここのところ、しばらく会っていなかった友人からの連絡が続いている。
先週1週間のうちに、5人から突然のお誘いがあって、10月の残りの週末の予定がきれいに埋まってしまった。

会えば、報告もあり、相談もある。
ただなんとなく、という人の真意さえ、その背景にはきっとなにかある。

人の話をきく。
私は、それに直接の意見はしない。

ただ質問を繰り返す。
たくさんの質問をする。

それから、まったく別の、自分の話をする。
人から聞いた話をすることもある。

そうすることで、ようやく友人は核心を語り始める。
本当は語られたがっていた、小さく硬い、胸の核。

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# by yukotto1 | 2009-10-12 01:35 | ぐっとくる映画

確信-まぼろし-

混沌を漂う会話の合間、ふいに、同じ故郷をもつその友人が、地元に帰ろうと思うことはないかと私に尋ねた。

私は、ちょっと椅子にかけなおす。

ほとんど疑問なく生活してきたけれど、最近になって、家族と離れて暮らしている現状について考えることが増えたのは事実だ。

私の生きる場所は、もう東京にしかない、そう思う。
だけど、理由を振り返ってみると、その基盤は少し曖昧だったりする。

親のことは、いつも心配している。
こんなに大好きで、こんなに大切なのに、離れて暮らすことを選び、そのせいで、おそらくこの先、親や祖母と過ごす時間が全部集めたって僅かに過ぎないことを思うと、どうしようもなく切ない。

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# by yukotto1 | 2009-02-03 00:41 | 切ない映画
新宿南口のGAPの前で待っていた。
雨が止んで、また降り出しそうな、微妙な宵の口だった。

丸の内線が事故か故障で動かないからと、彼は二駅分、歩いてくると言う。
新宿御苑に住んでいるらしい。

待っている相手は、中学の同級生だ。
1年と3年は同じクラスだった気がするが、2年はどうだっただろう。
3年間ずっと同じクラスの人が一人だけいたと認識していたが、ひょっとすると、彼がその人かもしれない。

まじめで勉強のできる男の子だったが、最大のアイコンは、学年唯一の「医者の息子」だということ。
田舎の公立中学なので、開業医の息子なんて、学年に一人いればいい。
地元の人なら誰でも知っている、内科医院の次男坊で、みんな勝手に、彼は将来医者になるだろうと踏んでいた。

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# by yukotto1 | 2009-02-02 01:20 |

こんな夢を、見た-夢-

二日連続で、似たような夢を見た。

大学時代、試験の夢。

出席日数が足りないとか、試験直前なのに全然勉強してないとか、果ては、受講登録してなくて単位が足りない、とか。
卒業の危機に、おののく夢。

きっと、このあいだ山口智久が苦労しながらも明治大学を4年半で卒業したというニュースを聞いたせいだろう。
けれど、今回ばかりでなく、私は何ヶ月かに一度、こういう夢を見る。

勉強した量や時間、その真摯さという点で言えば、高校3年のときが一番だったと思う。
現役のとき大学に落ちたのは勉強量が足りなかったからじゃなく、私の能力が足りなかったからだ。

言い訳も言い逃れもないし、もちろん後悔もない。
苦しい日々だったけど、その頃のことを夢に見ることはない。

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# by yukotto1 | 2008-09-25 01:32 | アートな映画
2001年9月11日から、もう7年が経った。

あのとき私は社会人3年目で、名古屋の独身寮に住んでいた。
寮のお風呂とトイレは共同で、個々の部屋は単なる窓付きの箱だった。

その夜、お風呂からあがって部屋に戻り、テレビを点けたら、奇妙な映像が映っていた。
二棟の高層ビルが立っていて、その一棟から煙が上がっていた。

「NY世界貿易センタービルに航空機が衝突」

画面の右上に、そういうテロップが出ており、その状況を描写するナレーションが重なっていた。

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# by yukotto1 | 2008-09-11 23:32 | 考えてしまう映画

秋の便り-ゆれる-




爽やかな空を仰ぎ見る。
あるいは、街行く人たちの装いを観察してみる。
新しい季節を感じる要素はいくつもあるけれど、私にはまた別の秋のサインがある。

それは、実家からの届きもの。

今日届いたのは、兵庫県産のピオーネだ。
しっかりとした実が鈴なって、ビジュアル的に既にふくよか。
巨峰よりも甘く、渋みがなく、爽やかで実に瑞々しい。

うちの実家の近所では、道路沿いに直売のテントがよく見られる。
そんな光景を思い描きながら、実家にお礼の電話を入れると、晩酌で少し酔っ払った母が、とろけるようなしゃべり方で応答した。

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# by yukotto1 | 2008-09-11 01:07 | ぐっとくる映画
彼女の中では、チョコミントほど「誰が食べるのか分からない味」はないらしい。

一方、彼女は、コーヒー味のアイスクリームが大好きだと言う。
コーヒーをそれほど飲むわけではないが、アイスクリームとなると、「あれほど豊かな味わいはない」のだそうで。

私は、コーヒー味のアイスは嫌い。
コーヒーは好きだけれど、コーヒーアイスは嫌い。

好き嫌いが生まれるメカニズムは知らないけど、同じものでも人によって好きだったり嫌いだったりする。

そんなの、あまりにも当然だろうか。
でも、改めて考えると不思議な感じもする。

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# by yukotto1 | 2008-09-01 00:37 | 音楽
お昼時、「この季節、絶対鰻食べたくなるよねー」と、同じ部のS君に言ったら、「そうですか?」って言われた。

えー。食べたくなるよー。

私は、いっつも食べたくなる。


・・・のに、今年はあんまり食べたくならないから、不思議で。

暑すぎてお腹すいてない?

以前は「目の前にあるものは一刻も早く制す!」くらい落ち着きがない食べ方をしていた私だが(常に時間に追われていたあの頃、一種の職業病だったのだろうか・・・)、2年半前に転職して以来、食べる量がぐーんと減り、ほんと、食べるスピードも量も落ち。

もうね。
定食とか基本的に完食できないからね。


ご飯は、ほぼ確実に残す。

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# by yukotto1 | 2008-07-24 22:48 | 笑える映画
ずっと背中が痛かったのだけれど、それが多少和らいできたと思ったら、今度は太ももが痛くなりだした。
怪我をして1週間近く経ってようやく、これまで痛まなかった箇所が痛んでくるなんて、不思議だ。

でも、もしかすると、背中の痛みがひどすぎて、太ももの痛みに気づかなかっただけかもしれないという説もある。
より大きな痛みがあると、小さな痛みは忘れてしまいやすいようだ。

背中の痛みは、生死に関わるんじゃないかと思うくらい激しかった。
それが今は、だいぶ落ち着いてきている。
何というほどの治療をしたわけでもないのに、人の回復力というのは、本当にすごい。

左の太ももは広範囲に青タンができていて、じんじんと痛い。
激痛というほどではないけれど、つっぱるような感覚が続いている。

メントール入りの湿布を2枚並べて貼って、そこから遠慮なくはみだした青タンを睨み、ちゃんと治ってくれるよね?と念を押してみる。

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# by yukotto1 | 2008-07-15 00:24 | 笑える映画
中学3年生のとき、私には好きな男の子がいた。
今考えても、ドキドキするほど、すごくすごく素敵な男の子だった。

彼が地元の公立高校を志望していると聞いて、私もそこに行きたいと思った。
だから私の志望校は、誰に何と言われても、その公立高校だった。

学校や塾での成績がよかったので、周囲の大人は残念がった。
もっと上を狙えるのに。

親や先生に理由を尋ねられても、私は絶対に本当のことを言わなかった。
「私立に行く意味が分からないから」と言って、断固として、公立志望を曲げなかった。

12月くらいまでその調子だった。

ところが、年末の三者面談ぎりぎりで、私は好きな男の子が明石にある高等専門学校を志望しているという話を耳にした。
それは理系の学校で、どう考えても文系の私が進学することはできない。
けれど、例の私立高校なら明石方面へ同じ電車で通うことができる。

私は、すかさず志望を変えた。

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# by yukotto1 | 2008-07-10 20:44 | ハッピーになる映画

夢の間-さくらん-

どんなときでも笑顔を絶やさないというのは、長所だ。
でも、もしも、その笑顔には何もこもっていないんだとしたら、それは、単なる顔の形状であって、癖とか条件反射みたいなものなんだろうと思う。

「笑う鬼だ」

映画「さくらん」で、主人公きよ葉は、本気で惚れた男が自分に向ける笑顔に対してそう呟き、たちまち踵を返す。

肝心なところで、男は彼女を置いて逃げた。
不安になって今こそ信じさせて欲しいとき、本当にその手を求めているとき、男はそれを見ないふりした。
怖気づいたのかもしれない、面倒になったのかもしれない、そもそも最初から本気ではなかったのかもしれない。

傷ついたきよ葉は、吉原を抜け出し、男の真意を確かめに行く。

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# by yukotto1 | 2008-07-10 00:46 | アートな映画

Dive into-海を飛ぶ夢-

最初は遠くから眺めていただけだったけど、何人かの友人が飛び込むのを見ているうち、私もやってみようかと思い立った。

あれを飛んだら、何かいいことがあるんじゃないか。
根拠のない願掛けをした。

ためらわないで、下を見ずに飛べばいい。
そう声をかけられて、そうしようと思った。
だから、何も考えなかった。

考えすぎていつも失敗する自分を、振り切りたかったのかもしれない。

宙に飛び出した瞬間、足元を見たら、そこに岩があった。
このまま落下したら、確実にぶつかるという位置だ。
踏み切った岩場の高さは7mくらいある。

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# by yukotto1 | 2008-07-09 00:09 | 考えてしまう映画