生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
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和解の鰻-うなぎ-

季節のものというのは、自然と体が欲するから可笑しい。
7月になると仕掛け時計みたいに鰻が食べたくなる。

まじまじと見れば不気味なかたちをしている、あの長くてぬるっとした生物は、擬人化すれば仙人のようにどうにも寡黙で思慮深い様子だが、味はご存知のとおり、他に類するもののない香ばしいふくよかさを持っている。
「ふくよか」、音からして幸せな響き。
見た目は決して好きではないが、私は鰻の味が好きだ。

今村昌平監督がカンヌでパルムドールを獲った邦画作品と言えば、役所広司主演の「うなぎ」。
主人公は、浮気をされたことに逆上して妻を刺し殺し、8年間の服役後に仮出所してきた男。
性格は生真面目で潔癖なところがある。
人を殺して刑に服したことよりも、最愛の妻に裏切られたことをいまだに傷に持つ彼は、久しぶりの娑婆で小さな理髪店を営みながらも、他者と距離を置いた生き方をしようとする。

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by yukotto1 | 2006-07-25 19:32 | ハッピーになる映画
たばこ屋の脇から生えた歩道橋の上、北の方角へ伸びるアスファルトの国道を眺める。
振り返って南を向き、その国道の逆方向の直線をにらむ。
ぐっとイメージを集中する。

まず地響きがする。
窓ガラスがビリビリビリと小刻みに震え、やがて遠方からドシン、ドシンと重たく地面を踏みしめる音がする。
一定のリズムでその音は近づき、喉もとのあたりに圧迫感に近い振動が届く。

あの、ビルの谷間から、巨大な怪獣。
つんざくような鳴き声。
私のイマジネーションが恐怖と興奮に連結し、いてもたってもいられずに走り出す。

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by yukotto1 | 2006-07-06 21:21 | アートな映画
てっきり後楽園ホールという建物があるのだと思っていた。
地下鉄の後楽園駅で降りて改札を出るなり、そういう表示を探したのだが、「後楽園ホール」は見当たらない。
地図にもそれらしき建物はなく、まさか「後楽園ホール」が後楽園以外の住所にあったらとんでもないオチだ。

あてずっぽうで東京ドーム方面へと歩道橋を渡り、周囲ぐるりをまわっていく。
ドームホテルのある裏側の付近に「青いビル」とか「黄色いビル」という馬鹿にしたような名前の建物があるようなので、ひとまずそこへ向かうことにした。

「青いビル」はゲームセンターでも入っていそうな賑々しい雰囲気のビルだが、実はこの5階に後楽園ホールはある。
後楽園ホールは建物の名前じゃなくて、大きな部屋の名前だったというわけだ。
しかし、その事実に気づくためには、「青いビル」の正面玄関まで行って、「5階後楽園ホール」と書かれたホテルの宴会場案内みたいな白いプラスチックパネルを確認しなければならず、私のような「一見さん」にはきわめて不親切な案内だと言わざるを得ない。

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by yukotto1 | 2006-06-12 01:23 | 考えてしまう映画
今週末からサッカーW杯が始まる。
私はサッカー音痴なので詳しいことはよく分からない。
日本代表の名前も半分くらいしか知らないし、外国選手となれば尚のことだ。

それでも4年前、日韓共同開催の前大会に関しては、さすがの私もお祭り騒ぎに巻き込まれた。
今思い出しても、あれは日本中、異常なほどの盛り上がりだったと思う。

当時私が勤めていた会社は国内有数の巨大企業だったが、日本の決勝トーナメント進出を決定づけるチュニジア戦が開催された日、「今日は15時で帰ってよい」という副社長の社内放送が流れて、そのクレイジーさに私は心底驚いた。
いや、もちろん、感激すべきクレイジーだ。

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by yukotto1 | 2006-06-06 21:25 | ハッピーになる映画
やっとマンゴーが届いた。
1ヶ月前にうちの会社の通販で注文した、タイ産の完熟マンゴー。
そろそろ届くだろうと思っていた、大きくて黄色いマンゴー。

段ボール箱に6個、白いビニールのネットをかぶってラグビーボールを一回り小さくしたくらいのサイズのマンゴーは、指でやさしく押すと中は十分にやわらかく、既に食べごろだと分かる。
バンコク滞在中は毎朝のように味わっていた、一種の臭みと表現するにも近い、独特の甘い香りを思い出す。

土曜日は昼に友人が来ることになっていた。
私の部屋の隅に置かれた、モザイク状にタイルがはめ込まれた円い天板のテーブルを彼女が引き取りにくるのだ。

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by yukotto1 | 2006-05-28 23:29 | ハッピーになる映画
私たちは、東海道線を西へ、小一時間向かった。
列車のシートに背をもたせ、他愛ないおしゃべりを続けていても、不思議だけれど海原の風景が目に飛び込んだ一瞬に会話が止む。

その光景は、いっぺんで人を黙らせる。
窓は開いていないのに、潮風が吹いてくるような錯覚もする。
説得力のある、開放感。

その日の天気も好かった。

熱海駅から先、伊豆半島に差し掛かると、列車は各駅停車になる。
二駅乗って、網代という無人駅に降り立つと、改札の外には、想像以上に小さな漁村の様相が広がっていた。

駅の近くに立っていた面積だけ巨大で実に大雑把な描画の地図看板を眺め、午後2時までにたどり着きたい場所を確認する。

「歩けるんじゃない?」
「ほんとに?」
「だいたいの方角があってれば、歩けるよ」

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by yukotto1 | 2006-05-18 23:18 | 笑える映画
理由はさておき、ご機嫌ナナメの水曜日。
晩の早いうちに会社を後にし、今日は絶対うちで食事をしようと帰りがけにスーパーに寄った。

日曜日にぼたん鍋をして残った白菜とこんにゃくを使って、今晩の献立を組み立てる。
事前に愛用の味の素のホームページで、レシピを食材検索して、白菜の使い道は「白菜と春雨の中華風炒め煮」と決める。
春雨はストックがあるから、足りない食材は筍ときくらげ、干ししいたけと、牛ひき肉。

この季節は筍がおいしい。
野菜売り場に山ほど並ぶ。
今日使い切れなかったら、明日筑前煮にしようか、パスタにするのも美味しそう。

そんなことを考えながら、お買い物。
目当ての食材を買い物カゴに入れていく。

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by yukotto1 | 2006-05-11 01:15 | ハッピーになる映画
スピーチの原稿をもう一度書き直そうと、新幹線の中でペンをとる。
伝えたいことがたくさんあるので、そのどれひとつと選ぶのが難しい。
何においても言葉が足りないような気がし、それでもつい書き過ぎないようにと気をつける。

あまりにもプライベートな逸話ばかり浮かぶので、具体的なことを書くのをためらいもするが、そうすれば話がぼやけてしまって、知らない人はしらけるだろう。
そんなことを考えながら、まとまりきらない原稿用紙を、何度も何度も推敲する。

彼女の結婚式。

確か5年位前に絶対に泣くと宣言したけれど、その日がついにやってきた。
自分より前か後かとは想像したことがなかったけれど、想像を超えた展開であることは確かだった。
それでもそれも、彼女らしいかもしれない。

実に毅然として折り目正しく、また柔軟で軽やか。そして大胆。

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by yukotto1 | 2006-04-17 01:03 | 考えてしまう映画
早朝の空気というのは不思議だ。
それを朝もやと呼ぶのだろうか、煙たさにも似た独特の眩しさに包まれていて、なぜだか耳が遠くなったような感覚がする。
自分と、自分が今いる場所との間にはなじみきらない薄い膜があって、まるで異次元に放り込まれたみたいなのだ。

胎内で夢を見ているみたい。

早起きをした朝も、夜を明かした朝も、そうして一日の予感がくすぐられる。

ジムへ向かうため、地下鉄の出口を松屋の目の前で出て、銀座の街角を早朝に歩く。
休日や夜の溢れかえる雑踏がきれいなまでに消えている。
信号待ちの車もまばら。
中央通りを銀座三丁目から六丁目あたりまで、いつもより遠くまで見渡せる気がするのは錯覚だろうか。

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by yukotto1 | 2006-04-05 00:56 | アートな映画
約束の期限まで一月を切った。
なんの約束かというと、「3月末までに3kg痩せる」という話。

遡れば昨年の5月あたりから、痩せる決意をもったものの、実際はというと何も変わっていない。
意志が弱いというか、なんというか。
まあ、ありがちなもんである。

ひとつ言い訳をするならば、毎日否が応にも外食続きで、自宅へ帰れば一刻も早くベッドにもぐり込み、朝はギリギリまで寝ていたい、そんな習慣を強いられる仕事についていたんだから、何をどうやったらダイエットなんぞできるのか、到底現実味がなかったのだ。
でも、ご存知のように環境が変わった。

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by yukotto1 | 2006-03-05 23:26 | ハッピーになる映画