生活視点の映画紹介。日常のふとした瞬間思い出す映画の1シーンであったり、映画を観てよみがえる思い出だったり。生活と映画を近づけてみれば、どちらもより一層楽しいものになるような気がします。


by yukotto1
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強く冷たい風が水分の多い雪をつれてきた。
アスファルトに薄く積もってぬかるんで、とてもきれいとは言えない。
ブーツの踵に、細心の注意を払いながら歩く。

東京のなごり雪。
3月9日に降った雪。

先週は、日中、コートがいらないくらいの陽気だったのに、この時期の手のひら返しはまったく手厳しい。
思わせぶりもいいところ、そうするほどに恋しくなる春の策略に、毎年まんまと嵌められる。

季節は輪廻の如く。
輪廻は季節の如く。

「瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の われても末に あはむとぞ思ふ」

百人一首で私が一番最初に憶えた句で、そして、私が一番好きな句だ。
そして、三島由紀夫晩年の小説を映画化した「春の雪」においても、意味の深い句となっている。

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by yukotto1 | 2010-03-10 01:33 | 切ない映画
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photo by hikaru

ファッション業界に半ば足をつっこんでから、半年以上経つ。
それは、上司の突然の異動に伴って、私のメインの仕事になった。

もともと温め続けた企画が実行フェーズを迎えたという感じなので、やるべきことに迷いはないが、とはいえ、まったく不慣れな世界である。
ロジックを組み立てて仕事するのを主としてきた私にとって、「ファッション」なんていう、感覚的世界で自分が仕事をするなんていうことは、思いもよらなかった。

さながら、「プラダを着た悪魔」の主人公アンディのようだが、以前にその映画についての記事で書いたように、未経験の世界でまず必要なのは、その世界のルールを知ること。

私は、決してファッションに詳しくない。
常識的な、ごくごく普通レベルのセンスしかない。

私が仕事で相手にするのは、バイヤーやスタイリスト、モデル、ジャーナリストといった感性で勝負する人たちであって、彼らとのコミュニケーションを成功させるためには、彼らを理解し、同じ言葉でしゃべる必要がある。

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by yukotto1 | 2010-02-18 00:44 | ハッピーになる映画
友人の家を訪ね、幼い子どもたちと戯れ過ごす。
珍しく人が多いのが嬉しくてしようがないと、楓のような手をぱっと開いて高く挙げ、飛び跳ねて笑う無邪気。
尻尾の短い小さな犬も手伝って、眺めよく港まで見渡せるその部屋は大賑わいだった。

おぼえたての言葉は、半分以上が鸚鵡返しの舌ったらず。
迷いのない瞳を見開いて、繰り返し、繰り返し、世界の姿を確かめている。

子どもの顔がほころぶと、大人の顔もつられてほころぶ。

今日は、よく晴れた冬の一日だった。
各駅停車の扉が開くたび、暖房の効いた車内に冷えた空気が紛れ込んできた。

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by yukotto1 | 2006-12-31 22:03 | 笑える映画
昨夜、変な夢を見た。

彼と夜9時に外で待ち合わせをしたのに、私がうっかり眠ってしまって目が覚めたら朝だった、という夢。
「やばい!」と思って携帯を見たら、彼からの着信が何件もあって、あわてて電話をしようと思うんだけど焦って携帯がうまく操作できず、彼に電話できない、という夢。

で、その焦っている横でつけっぱなしのテレビから、笑福亭鶴瓶が阿部政権で官房長官に任命されたというニュースが流れていて、鶴瓶は実は小泉劇場の影の立役者だったという衝撃の事実がドラマ仕立ての再現VTRで報じられるのを「わるべはやっぱりタダモノやないな」なんて思う、という夢。(うちの弟は鶴瓶のことを「わるべ」と呼ぶ)

奇妙な目ざめでぼんやりしながら着替えたせいか、今日着た服は色のトーンが季節に合っていない。
駅まで歩きながら後悔した。
会社に着いて、同じチームの人がコーデュロイを羽織っているのを見て、さらに後悔した。

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by yukotto1 | 2006-09-26 13:12 | 怖い映画

陽射

かなり暑いなと感じるときでも、秋の陽射は夏のそれと明らかに違う。

アスファルトに落ちた陽と影の境が、オレンジ色ににじんでいる。
空気の色、空の色がことごとくやわらかい暖色に包まれている。

一方で夏の陽射は、クリアで一直線に眩しい。
賑々しい音さえも携え、ジリジリと肌を灼く。

春の陽射がどうだったかと考えて、その色にミストグリーンを見出す。
秋のやわらかさとはまた違う、爽やかで曖昧で。

通勤途上の道で、どう表現したものかと考えていた。

秋口の陽射は、火照りを体内に収めていく。
春先の陽射は、生命が体から芽吹いていく。

矢印が違う。
冬を越えるには、私の中に熱が必要だからだ。
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by yukotto1 | 2006-09-20 10:17 | その他
熱いコーヒーを飲みたくなる季節が巡ってきた。
その日の天気予報は、10月中旬の気温だと告げていた。

通勤電車にはストールを巻いた女性が多かった。
私もちょうどでかけるとき、ジャケットを羽織るかストールを巻くかどうしようと考えて、雨が冷たそうだったからジャケットにした。

気温や天候に合わせて飲むものや着るものを変えるのは、当然と言えば当然だけれど、そこに人の息づかいというか、快適に暮らすための知恵というか、あるいは大人のたしなみといったものを、さりげなく感じる。
子どもの頃は、年じゅう半ズボンやミニスカートを履いたり、夏服と冬服の二種類しかない制服に袖を通す毎日なのだから、そういった感覚にはどうしても疎い。
そのかわり、子どもの頃は、今の何倍もの時間を屋外で過ごしたし、田園の稲穂が背丈や色を変えていく姿や、山の木々をざわめかせる風の音の高低や、そういったものを直にたっぷり感じていた。

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by yukotto1 | 2006-09-18 01:03 | ぐっとくる映画
朝から私は、なぜこの数日、体重の減少がぴたりと止まったかについて考えていた。
正確に言うなら、夕食の前に測ると記録を更新するように毎日減っている体重が、朝の測定となると前日と同じか、場合によっては増えている理由だ。

ジムでのトレーニングは一日置きの早朝なので、体重が全然減っていないのを見て、バイオメトリクスのコーチは「どうしました?」と訊く。
レシピどおりに毎日自炊をし、トレーニングも精一杯の力を出している。
水も毎日2リットル欠かしていない。
なのに朝の測定時ばかりは体重が減っていない事実に、私は説明の術を持たない。

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by yukotto1 | 2006-03-18 00:18 | ノリノリの映画
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汐留シオサイトの今年のツリーは、一風変わっている。
日テレの前と、カレッタ汐留、シティセンターの前。
かたちは同じでそれぞれに色の違う、キャンドルツリー。
遠目から見ると律儀な円錐状のツリーだけれど、よく見ると、灯のひとつひとつが、ランプのようにガラスの傘を着たろうそくなのだ。

最初は電灯だと思っていたのだけれど、深夜に帰宅する折、大半の灯が消えた後、数えるほどのランプだけが寂しく取り残されているのを目撃し、「ああ、本物の火だったんだ」と気がついた。
なかなか、凝っている。

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by yukotto1 | 2005-12-16 00:19 | ハッピーになる映画
a0032317_22445363.jpgちょっと長すぎるんじゃない?とツッこまれそうな夏休みも今日で終わり。
休みすぎてかなりのフヌケ状態なのだけれど、観念して明日から仕事。
結局、どこか遠くに旅行というのはしなかったけれど、しばらく会っていなかった友人と会うこともできたし、身の丈の暇人生活を送ることができたのは、それはそれで新鮮だった。

予兆のように、おとといあたりから携帯電話に仕事の電話が入ってくる。
仕事の電話に出るだけで、一気に神経が張るっていうか、現実に引き戻される感じ。
小さくため息が出たりもする。

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by yukotto1 | 2005-08-24 22:44 | アートな映画

右へ曲がる道-解夏-

スカイブルーの陽気に駅までの道を歩くと、そこまで近づいた夏を感じられる。
30回目の夏が来る。

夏は、心が遥か旅をする。

故郷は、一級河川をはさむ河岸段丘の地形に田園地帯が広がる地域。
神戸から小一時間の距離にあり、阪神地区の大工場に卸す部品工場や、労働力がベッドを構える新興住宅地が活気を与えている。

中学までの同級生の多くは、今でもこのまちで暮らしており、今後もその生活を守っていくだろう。
これといって目立つもの、流行のものはないけれど、住むにはちょうどよい大きさのまちだ。

私は、ここを18のとき後にした。
もう12年も前のこと。

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by yukotto1 | 2005-06-27 01:12 | ぐっとくる映画